かつてサッカーに青春をかけた男が、フィールドを「環境ビジネス」に移して奮闘している。早稲田環境研究所の小野田弘士社長がその人だ。
早稲田大学大学院在学中に大学発ベンチャーとして起業した小野田社長が取り組んでいるのは「エコの見える化」。例えば一つの商品ができるまでに要した環境負荷を調査・分析し、顧客企業に対して提供している。そのデータを顧客企業は、商品に明記することで自社の環境対策を一般消費者に判りやすく伝えることができる。目に見えないエコを第三者の視点で表に現すことで、世の中に伝えていくのが同社の使命というわけだ。
大学で培った技術力を駆使してエコの伝道師として活躍する同氏だが、高校生まではサッカー漬けの毎日を送るスポーツ少年だった。高校時代には日本選抜にも選ばれ、将来を嘱望される選手だった。そんな同氏が環境ビジネスにゴールを見出す契機は高校3年生の頃に訪れた。
「これまで順風満帆だったサッカー人生で初めて挫折を経験。サッカー選手以外の人生について考えを巡らせていた時に環境問題に関する授業があったのです。身近にこんな問題があるのかと興味を持ち、大学で学ぼうと決意し、早稲田大学に進学しました」(小野田弘士氏)
大学で研究を進めるうち、日本には環境問題を考えるシンクタンクはあるものの、ビジネスとして成功している企業は少ないことに気がついた。自分に何ができるだろうかと考えていた時、指導教授から「企業向け環境評価ソフトにニーズがある」と聞いた。
起業後は研究室とともにソフトの開発を行う傍ら企業から依頼される省エネに関する調査やコンサルティングを手掛けた。大学発ベンチャーと言う信頼性もあり大手企業、経済産業省や行政とともにエコカーの開発なども行うまでになった。今では一般向けに家庭で輩出している二酸化炭素の量がわかるサービスの提供も始めている。
フィールドをサッカーからエコに移した小野田社長のゴールは、「地球を守る」というとてつもなく大きなものに変わっているのだ。
Onoda Hiroshi
1978年5月12日生まれ。2006年3月、早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。2006年4月より早稲田大学環境総合研究センター講師。2008年4月より同准教授(現職)。2003年8月、環境系の大学発ベンチャー、株式会社早稲田環境研究所を設立し、代表取締役に就任。

小野田社長は一度「プロサッカー選手になる」という夢をあきらめながらも、新たな道を見つけて挑戦を続けています。私が学生に伝えたいことを尋ねると、「人生は選んだ道ではなくその中でどう生きるかが問題。だから挑戦が大切」だと仰っていました。信念を持ち、実際に環境市場で事業拡大を図る小野田社長の言葉に感動しました。
株式会社早稲田環境研究所
■ 本社所在地:東京都新宿区西早稲田1-1-7 28-404
■ 資本金:1,600万円
■ 従業員数:—
■ 事業内容:環境問題に関する新規事業の企画・立案・コンサルティング 他
■ 採用職種:—
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